竹内志朗資料館/テレビ編

はじめに

高校では、恩師・鈴木義一先生に出会いました。

鈴木先生は神社の神主で、それも位の高い神職をなさつていました。その先生に国語の授業で巡り会えました。神事と芝居は、やはり関係するのでしょうか。芝居のことを度々話してくれました。密接な関係が出来上がったのは、何か繋がりがあつたように思うのです。内容は忘れましたが、『歌舞伎は伝統芸能』と作文に書いた覚えがあります。それを見て、「お前、歌舞伎が好きなんか?」と言われたのが親しく話す始まりでした。

先生は今から6年ほど前に90歳で亡くなられましたが、芝居も一層好きになり、先生の影響で神官の試験を受け、一番下の神主の免許もいただきました。

学校を卒業したら働かなければ、お金儲けをしなければと思っていましたが、何の技術も持っていません。学校に行き、それとは別に芝居もやつていたとは言え、まだその頃は舞台装置が描けるわけでもなかったのです。それに、舞台装置を描いて報酬が幾らかも知りませんでしたし、とにかく並大抵の仕事ではないことは解っていました。また、描けるようになっても、仕事が来るかどうかが不安で、この道では食べていけないという予感も持っていました。

「手に職を付けないと」と思い、学校に行きながら、あれこれと考えては、画策していました。考えた末、その内容を母親に伝えました。

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