竹内志朗資料館/テレビ編

はじめに

これまでにテレビのタイトル、出演者の配役、映画の タイトル文字。そして芝居の題字をこつこつと書いてきました。

芝居のチラシのデザイン、プログラムの表紙、その編集、レイアウト、また商品力タログの編集やデザイン。

テレビCM、企画制作のVTR、動く映像が手軽でなかった時代の新製品発表で音声とシンクロさせたスライ ド映写の構成・制作。

もちろん舞台装置のデザインはもっと古い時から書いてきました。私はパソコンやその他電子機器になじめませんでしたので、ひたすら書くのみの作業です。1956年(昭和31年)12月に「大阪テレビ放送」が関西で初の民間放送として開局してから50数年、生放送の時代はタイトル文字はすべて手書きでした。VTR時代になり写植文字(写真植字機)が導入されましたが、手書きタイトルの主役の座がテレビ放送開始から30年以上続きました。

あらゆる形態の文字書きを要求されました。相撲文字、寄席文字、歌舞伎の勘亭流、文楽の浄瑠璃文字、槽書、行書、草書、角ゴシック体、丸ゴシック体、そして明朝体、それ以外にラフないろんな形の文字を書くのです。

特にニュース番組などで事件発生直後の時は20文字位を斜体の明朝体で約60秒たらずで早書きすることが義務づけられていました。

私は誇りをもってこのタイトルの文字書きに携わってきました。今この時代、そんな職業があったということも、テレビ史の中から消え去ろうとしています。人々からも忘れられようとしています。

タイトル文字を書く職業が存在したことをぜひ記録として残したかったのと、60数年にわたり現役で文字書きと、舞台装置の仕事を続けさせていただきました。その間大勢の人々から温かく、ご協力いただいたことへの感謝の気持ちがいっぱいです。

大阪テレビ放送の生放送時代、それに続く時代に書いたタイトルテロップの原物は少ししか残っていません。 記憶をたどって再現した文字も掲載しています。

時代遅れかも知れませんが、手で書く、その楽しさをこれまで60年一日も手を休めず続けてきました。

これからもできるだけ現役で休まず続けたいと願っています。

竹内志朗

 

↑ ページの上部へ